
AnnaFujiharaworks
銅版画作家、藤原杏菜の作品を紹介するホームページです。
◆銅版画が出来るまで◆
①制版

1. 銅版 (厚さ 1mm) の裏面に 防食用裏張りシート
(壁紙) を貼り、 表面をピカール (研磨剤) で磨いて
細かい傷等を消します。

4.銅版を冷ましてから、ベタベタしないように
ベビーパウダーを塗りニードルで描画する。

2. ピカピカに磨いた銅版に、
ベンヂンで溶いた防食用溶剤 (ハードグランド)
を流し引きして塗ります。

5.ニードルでグランドを削った部分の銅が露出した状態になり、この部分が反転した線になります。

3. グランドが気発するまでしばらく置いてから、 コンロで炙ります。

6.描画が出来たら、腐食をします。
銅版を硝酸で溶かします。
②腐食(エッチング)

7.硝酸に15~20分浸けます。

8.腐食出来たら、版を洗い灯油でグランドを落とします。

9.描画した部分が凹んで細かい溝になっています。ここにインクを詰めて刷ります。
③アクアチント

10.銅版のアクアチントをかける部分以外に
グランドを塗って乾かしておく。
松脂をすり鉢で粉末状になるまで砕きます。

11.容器に入れ布をかぶせ、上から叩いて細かい松脂を銅版に均等にふりかけます。

12.この状態でコンロで炙り熱を加え、松脂を銅版に定着させ、冷ましてから硝酸に5~10分程つけて腐食させる。松脂はアルコールで落とします。
松脂が銅版に付着し細かい粒が防食剤の役割を果たし、そこ以外の場所が腐食され凹んだ部分にインクが詰まります。ベタ面や広い面積を一度に制版することが
できます。アクアチントをかけた後は削ったり、その上からエッチングを重ねる事でグラデーションをつくる事が可能です。
④プレートマーク

13.制版が出来たら、銅版にプレートマークを
つけます。やすり、バニッシャー、スクレーパー、クリームを使います。

14.やすりで銅版の四隅2mmを45度くらいの角度で削り落としささくれをバニッシャーとスクレーパーを使い平らに磨きます。

15.刷るときにフェルトが痛まないように
角を落としています。
③刷り

16.刷る紙は水に湿しておく。
プレス機にフェルトを敷き、左右均等に圧をかける。

19.拭き取り紙で余白部分を油膜を残しながら
拭き取る。

22.本刷りしたものは、板に水張りして
紙を伸ばしながらインクを完全に乾かします。

17.版画用インク、ヘラ、ゴムベラ、寒冷紗、
拭き取り紙を使います。

20.プレス台に見当をつけ、銅版を置き
その上から紙を乗せプレス機をまわす。

18.電熱器で熱した版にヘラでインクを詰め、
寒冷紗で溝にインクを詰めながら余白部分の
インクを拭き取っていく。

21.圧力をかけて、紙に刷ります。

23.数日間乾かしたものを板から外し、紙の余白部分を落としエディションとタイトル、サインを入れる。

24.額装をして、出来上がり◎